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zoom RSS ロクでもない友人たち(2)

<<   作成日時 : 2015/06/05 07:04   >>

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高校時代の友人、Mは爽やかな好青年でした。
頭もよくスポーツマンで拳法家で、バイオリンを弾きピアノも弾くという万能ぶりでした。

ハンサムで上品な中年紳士になるはずのハンサムで上品は高校生は、何ひとつとしてMにかなうものはありませんでした。強いて言えば、身長と体重では上回っていたものの、それだって「少ない方がヨイ」という基準があったら負けですから。唯一の取り柄だった「ハンサムさ」「上品さ」も、Mと客観的に比較した場合、明らかに負けていました。

たった一度、Mに勝てた気分になったのは、Mの家に遊びにいって将棋をした時です。
別段、将棋は強くないのですが、Mも得意ではないのか、その時は三番指して三連勝くらいしたと思います。

時間も遅くなったので帰ろうとすると、Mは「ダメだ、帰るな、帰さない」というのです。
まるで浮気相手の女が正妻の元に戻ろうとする男を引き留めるようなことを言い出したのです。
別に、Mとフシダラな関係にあったのではありません。

「負けたまんまで帰られたらたまらない」というのです。負けず嫌いなんですね、Mは。

Mの家は、O樽市の郊外にありバスが少ないのです。それを理由に辞去しようとすると、Mは時刻表を持ち出して来ました。
「キミは○時×分のバスに乗ろうとしているようだが、これからもう一番指しても△時□分のバスには充分間に合う。だからキミはもう一番指していく義務がある」と述べ立てました。

そこまで言われて、「イヤだ、帰る!」とだだをこねるワケにはいきません。勝ち逃げというのも卑怯ですし。
そして四番目の勝負、Mが見事に勝ちました。
存外、勝負が早くついたので、もう一番くらい指してMが勝ったかも知れません。

Mは晴れ晴れとした顔で、「よし、帰ってもよろしい」と申し渡してくれました。
そういうMを見て、将棋には負けたけども心は勝った、と感じたのですね。
Mのわがままにつきあってやったぞ、という気分だったのです。

そんなMは現在は、北○道大学大学院理学研究院の教授であり、その分野では世界的に知られた研究者です。
当然、今、ハンサムで上品な中年紳士がいくら将棋を指したいと言ってもかなわないことです。

そう考えると、あの将棋は大変貴重な勝負だったと思えます。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
相手が大学院の教授や総理大臣、はたまた
取締役支店長であったとしても、しょせん
学生時代の友人であることには間違いない
のです。
それだけのことです。
そういう友人がいることに胸を張ることも
ないし、逆に自分との社会的環境の違いを
卑下する必要もないし。
友人であった、それだけのことです。
あさぎ
2015/06/05 18:32
あさぎ さん>>
コメントありがとうございます。
それは無理だよ、自分がいて相手がいて、それぞれの境遇があれば、それに対して何かしら感じたり思ったり、友が皆我より偉く見える日もあろうというものさ。
そうやって悪感情をこじらせて相手にぶつけるのはよくないが、自分の心の中で反芻したりすることは当然のことですよ。

おなら出ちゃっ太
2015/06/05 23:21

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