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zoom RSS 職業としての小説家(村上春樹)

<<   作成日時 : 2017/02/11 09:11   >>

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毎年ノーベル賞の時期になると何かと話題になる村上春樹氏。
内外に多くのファンを持つ作家ですが、今までにその著作をひとつも読んだことがありません。この本は、書店でたまたま表紙が目に止まって手に取りました。
「何だって寺尾聰が本を書いたのか?」と思ってよく見たら、ちょっと違った。

最初に、小説家というのは間口が広い商売だという一文が目に入りました。
野球なんかだと、有望な新人選手が現れたら別の選手の席がなくなる。だが小説家の場合は、そういうことはないというのですね。
しかも新人作家の本がたくさん売れたからと言って、それまでの作家の本が売れなくなることもない。むしろ相乗効果で出版業界全体が潤う、と村上氏は主張しています。
もっとも、この作家の本を買ってお金がなくなったから、あの作家の本を買うのはやめよう、ということはありそうですが。
まあ、そういう理屈はさておき、「来る者は拒まず」というところがあるのだそうです。
何しろ小説家になるには、特別な技術はいらない。演奏家や画家、漫画家、スポーツ選手となると若いころ、いや子どものころから鍛錬しないと、まずプロにはなれない。だが小説家になら、いつでもなれる。

その代わりというわけでもないのでしょうが、「去る者は追わず」的なところもある。
新人作家はたくさんデビューするが、十年も残るのはごく僅か。まあ、作家に限ったことではありませんが、何しろ前述のように、誰でもなれる商売ですから出入りが激しいのでしょう。

もちろん、書いた本が売れる小説家になるには、それなりの、いや想像を絶する努力が必要です。時には才能も必要かもしれない。

村上氏が長編小説を書く際の工程が紹介されていますが、何度も何度も何度も何度も書き直しをする力仕事に気が遠くなりそうでした。

これまで村上氏の著作にはまるで関心がなかったのですが、『風の歌を聞け』執筆当時の話を読むと少々興味が沸いてきました。
どうして少々かというと、この本も途中で読みつかれてきたからです。
前半は調子良く読めたのですが、学校教育について書いた章あたりからクドクドクドクドしてきて、鬱陶しい気分を味わったのです。またカタカナ語が頻出して、まるで80年代の雑誌の薄っぺらな記事のような印象も少なからず受けたのも一因です。

もっとも、これは「80年代の雑誌の薄っぺらな記事」を書いたライターが村上氏にかぶれていたのだと思われますが。

また小説を書く上で、体力も必要だというのは大いにうなずける意見です。
執筆に限らず、頭脳労働というものは思いのほか体力を使います。そういえば、高校生のころ勉強ができる奴は必ずといっていいほどスポーツも抜群にできていました。
スキー授業で天狗山(小樽市)の急斜面を直滑降で滑り降りてきて女子の喝采を浴びていた甘木君は今や医学部の教授ですからねー。あ、脱線した。

村上氏は、「歯が痛かった執筆どころじゃない」というわかりやすい例で体調管理の大切さを説明してくれています。

ただ健康管理、体力維持のために走っていることを得々として語るのは、どこかナルシストっぽくて気持ち悪かったですね。表紙カバー写真も、どことなく「この年齢(60代半ば)になっても均整がとれた体型の俺」を誇っているような雰囲気ですし。

学生時代、銭湯の大鏡の前でポーズをとって筋肉を誇るバカ学生を何人か見たことがあります。それと一緒、とまでは言わないけども。

ちなみに、村上氏に言わせると小説を書くような人は、あまりお利口ではないのだそうです。
賢い人ならごく簡潔に表現することを、小説家は長い物語を通して主張する。
何という効率の悪さか、ということですね。
商売としても生産性が悪いことこの上ない。長編小説を何度も推敲して書き直してやっと書き上げて得られる印税は10%前後(のはず、人気作家の場合はどうなるのか)。
しかも売れなくて千部くらいで絶版になったら商売として成立しませんでしょうし。

だから、タレントや俳優が小説を書いて一時話題になったりしますが、次回作はナシということになるのでしょう。
チマチマと小説書いているよりも、テレビに出たほうが簡単で儲かるでしょうし。

それでも小説を書くのは、書きたいから、だそうです。
簡潔にしてこれ以上説得力のある台詞はありません。






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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
村上氏の代表作「ノルウェイの森」を是非
読んでみてください。○ックオフで100円
で売っています。図書館だったら無料で
読めます。読んでからまた感想を聞かせて
欲しいです。お薦めします!!
トベリン
2017/02/11 18:44
出ちゃっ太さん、どうもです。
私は村上春樹さんが大好きなのですが
小説ではない、この手のエッセイというか
雑文的なものは苦手でして途中で挫折したものが
結構あります(笑)
ところで私もトベリンさんに続き、
「ノルウェイの森」を読んで感想を
聞きたいですね。出ちゃっ太さんが
どのように論じてくれるか非常に
興味深いです(笑)
ただ、やはり村上作品は面白いですよ。
批判も多いですが、それならもっと
面白いものを教えてほしい!というのが
正直な気持ちです(笑)

2017/02/11 22:45
トリベン さん>>
コメントありがとうございます。
その前に貴兄の感想を聞きたいですな〜。
おなら出ちゃっ太
2017/02/12 16:28
海 さん>>
コメントありがとうございます。
ノルウェイですか〜。ビートルズの曲は大好きなんですけどね〜♪
まあ、頑張ってみます。
いつの日になるか分かりませんが…

おなら出ちゃっ太
2017/02/12 16:29
読書感想ですかー
そういうの苦手なんですよ〜(^^;
純文学としては、かなり完成度が高い
作品だと思います。
夏目漱石の次くらいかなぁとは思います
けど...
まあ、文豪というよりは、天才でしょうか。
トベリン
2017/02/12 18:38

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