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zoom RSS 【いじめたり】いじめられたり第十四話

<<   作成日時 : 2017/03/18 14:07   >>

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A川の中学では、ゴリラみたいな連中に目の敵にされいじめられていた、というように書いていました。実はいじめる側にいたこともあります。
いじめたのは、ミヤグチという同級生です。
ミヤグチは、ありていにいえば「ちょっとバカ」でした。
これまでに登場した不良系のバカではなく、いわゆるバカ。
知的障害、というほどではないけど、学習困難な生徒でした。
もっとも、そう書いている自分自身、高校進学後は学習困難レベルに陥り苦しむのですが、まあそれは余談。

ミヤグチにハナシを戻すと、精神年齢がかなり幼かったのでしょう。
どうみても中学三年生には見えず、学生服だけが着古されていました。
そのせいで、兄のお下がりをもらって着ている小学生に見えたものです。

本人は「横浜出身だ」というのが自慢でしたが、どう見ても僻地の寒村から出てきたようにしか見えませんでした。顔にはタムシかシラクモのような跡があり、冬になるといつも茶色のトックリセーターを学生服の下に着込んでいるのも垢抜けなかった。というよりも、セーターが垢じみていたんですね。
どうしても横浜生まれだと思おうとするなら、江戸時代、まだ開港前の横浜村なら何とかそう見えないこともない、というところでした。

ミヤグチはクラスの中では最下層のカーストにいました。
ほとんど誰も相手にしていなかったのです。

それをいいことに上品な美少年ともあろうものが、ナカゾノという同級生と一緒になって、ミヤグチをいじめていたのです。いじめるといっても、明朗快活に暴力を振るうとか子
分のようにして使うというものではありません。
意味もなく悪口を浴びせかけてバカにするのです。
ミヤグチはへらへら笑ってかわそうとしたり、人をバカにするほうがバカという基本的な反論を試みたりしましたが、1対2ではあまり効果がありませんでした。

ちなみにミヤグチの「ミ」をとったか、「ミソ」とか「ミソ菌」と呼んでいました。
命名はナカゾノです。他の一部の生徒も彼をミソと呼んだりもしていました。
ナカゾノは意外とネーミングセンスがよかったのか。

口先でのイジメのみならず、一度などはミヤグチの長靴に水を入れる、というイタズラもしました。
いや悪戯と書くべきか、意地悪というべきか。
いやいや、これはすでに凶悪な悪行でというレベルのものでしょう。
当時ですら、学校にゴムの長靴を履いてくる奴は珍しかったのですが、ナカゾノは長靴での登校がおかしいといって笑い、休み時間にこっそり水を入れたのです。

上品な美少年も一緒にやったかもしれません。「かもしれません」というと、ずいぶんと狡猾な言い逃れのように聞こえますが、本当に記憶が曖昧なんです。
いじめるほうは気軽に気楽にやっていて、自分のしたことを忘れているという証左ではありますが、決して威張れることではありませんね。

ちなみに長靴に水を入れたのは、雪が積もった1月か2月の厳寒期だったはず。そうでなければ、さすがに長靴では登校しませんから。
普通に靴を履いていても足先が凍えるA川の冬です。
ずぶぬれの長靴を履いて帰らざるを得なかったミヤグチの気持ちを考えると、今ではいたたまれません。当時はナカゾノと笑っていた、いや、帰り道にミヤグチの足が冷たいとか、ミヤグチの気持ちとか考えもしなかった。
その場で笑って終わり。
ナカゾノが、「ジャーっ」と言って(たぶん何かの容器から)水を長靴に注ぎいれて笑って終わり、でした。

ミヤグチはずいぶん恨めしく思ったことでしょう。
彼はモデルガンが好きだった。
だからきっと、モデルガンでクラス写真の中にいる上品な美少年とナカゾノを撃ったりしたんじゃないかと思います。
卒業アルバムの写真めがけてモデルガンを撃ったり、錐で穴を開けたりしたんじゃないかと思います。

きっと間違いないでしょう。
自分自身、自分をいじめたゴリラどもの写真を殴ったり、カッターで傷をつけたりしてましたから。
まるで自分だけが被害者だ、という気分でね。

今、ミヤグチにあったらどうするか。
当時のことを謝るでしょうか?
いや、きっと、絶対に謝りはしないでしょう。
謝ってもしようがないワケですから。
いまさら謝られても当時の悔しさや辛さが解消されるワケではありませんから。
いまさら謝られても困りますよね。

自分だって、自分をいじめた人間が何十年もたってから謝罪しても、許すも許さないもなく困り果てるだけですから。
一体全体、あのときの思いをどうしたらいいの?
あのときの悔しさをどうしたらいいの?

だからきっと、万が一もしもミヤグチに会ったとしたら、彼に気がつかないふりをするか、すべて忘れたような顔をするかでしょう。
そして自分はどっちにせよ、ばつの悪い思いをするでしょう。

おそらく、世間の元いじめっ子の諸君も、同じではないかな?
だからこそ、「いじめられた体験」を話す人はいても、「いじめた体験」を語る人はほとんどいないのですよ。




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