書くことについて(スティーブン・キング)その2

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スティーブン・キングの手による「小説の書き方」です。
小説誌に投稿していたころ、不採用になったものの編集者からの手書きコメントがうれしかった、と書いています。
若かりし頃のスティーブンの初々しさが感じられます。

いろいろと示唆されることが多い本です。その中心にあるのが「文章を削ること」。
繰り返し語られるのは、「無駄な言葉は省け」、です。
文章を書いていると気持ちがよくて、ついつい余計なこと、言わでものことまで筆が滑ってしまいがちですからね。

この文章を削り無駄を省き文章を短くすることについては、いろいろな文章読本でも言われていることです。
本書が素晴らしいのは、説明はかなり具体的で実践的なことでしょう。
短縮の目安として、次の公式が紹介されています。

2次稿=1次稿の10%減

なかなか手厳しいようですが、覚えがあります。
原稿用紙5枚相当の童話公募への応募作品を書いていて、出来上がったのは6枚分。
書きすぎたと思っていても、一回目の遂行でほぼ5枚に収まります。
5枚=6枚×15%減、くらいですから、おおよそ公式通り。

巻末には「プロの作家でも1次稿はこんなに荒削りなんだよ」というお手本を見せてくれます。
確かに1次稿を読むと、「何を言ってるんだ?」という個所や「回りくどいなあ」という部分が散見されたものです。
笑ったのが、主人公が座る場面。『机の前の椅子のひとつに腰をおろした』という部分が、2次稿では「机の前に腰をおろした」に直されています。
スティーブンはコメントで、「やれやれ、椅子以外のどこに座るというんだ?」と書いています。まさにその通り!

もうひとつ、『オースターマイヤー』という登場人物の名前を『オーリン』に変えていました。『オーリン』に比べて『オースターマイヤー』はカタカナだと2倍弱ですが、英語だと3倍も長いのですよ。これだけで15行も短くなった、というのですから登場人物の名前も重要です。

5枚童話の例でいうなら、主人公が「ケンタロウちゃん」と「トモくん」では大いに違います。これを一人称にして「ぼく」にするともっと短くできる。文面も文字数が少ないほうがすっきり見えますからね。



この記事へのコメント

2019年07月04日 22:16
出ちゃっ太さん、どうもです。
あ~、この本図書館で借りただけでなく
わざわざ買いなおした気持ち
わかりますわ~。
私も即確保したいです(笑)
おなら出ちゃっ太
2019年07月06日 11:57
海 さん>>
コメントありがとうございます。
この本を参考にして、私小説「頽齢流星群」を書きたいです。
別名、「老いぼれ流星群」かもしれません。
青春期を書くなら、「ぽんこつ学生流星群」かもしれないし、流星どころか星屑かもしれません。
紙屑とか人間の屑とか言われたらどうしよう。
(^_^;